ひろとしのチャレンジ!ブログ

主に「KIRBYストーリー」に関することを書いてます。くだらない日記も結構書いてます。コメント貰うと喜びます。←もちろんコメ返させていただきます。

Star of Aqua 55「不死鳥の再来」

炎がクロウを包み、膨れ上がっていく。
「来るわね……!」
ルルナの表情も険しくなる。
「“不死鳥(フェニックス)”……!一気に決めるぜ!」
炎が消え、現れたクロウには赤いアザが浮かんでいる。
「この姿も1年ぶりだ……フレアの野郎に見せてやるつもりだったが、お前が相手でも十分だ」
「あら、ずいぶん私を評価してくれてるのね。よっぽどあの時の攻撃が効いたのかしら?」
「小娘が一丁前に挑発してくるじゃねェかよ……!まあいい。その挑発、乗ってやるとするか!」

クロウの背中から炎が噴き出し、大きな翼を形作る。
「“不死の炎”の翼だ!全て焼き尽くしてやるぜ!!」
「いいわ!今度はあんたも炎も全部吹き飛ばしてあげる!」
ルルナの持つ杖から風が巻き起こり、大きく成長していく。
「フェアリーステッキの力、受けてみなさい!“トルネード”!!」
フェアリーステッキと呼ばれた杖から放たれた風の塊はさらに大きく膨れ上がり、竜巻となってクロウに襲いかかる。
「いいねェ……!だが、その程度の風じゃ俺は飛ばねェな!」
クロウが翼を羽ばたかせ、熱風で竜巻を押し返す。

「………!!」
「お返しだ!“不死炎翼(フェニックス・ウイング)”!」
より一層強く羽ばたき、竜巻を飲み込んだ熱風がルルナを襲う。
「きゃあっ!!熱い……!」
「まだまだァ!“不死炎羽(フェニックス・フェザー)”!」
クロウの翼から不死の炎を纏った無数の羽根がルルナ目がけて放たれる。
「……!!(躱し切れない……!)」
全身を羽根が掠め、ルルナは傷だらけで吹き飛んだ。
「ギリギリで直撃は避けたな……運のいい奴だ。だが、それだけの傷なら十分だぜ」

「!!?……ぐっ…あっ……!!」
突然、ルルナが苦しそうな声をあげる。
「(傷口が……焼けるように熱い!!)」
「“不死炎羽”は、“不死の炎”を纏った羽を飛ばす技だ。掠りでもすれば傷口から“不死の炎”が体内に入り、内側から相手を焼いていく」
「う……あぁ……っ!!」
体が焼ける痛みに襲われ、のたうち回るルルナ。
「もう終わりだ。お前はそのまま“不死の炎”に焼かれて死ぬ。少しは楽しませてくれるかと思ったが、あっけなかったな」
炎の翼が消え、クロウの体からアザが引いていく。地面に降り、苦しみ悶えるルルナに背を向けて歩き出すクロウ。
「うぅ……っ!!(痛みが全身に……!……強くなったはずなのに、私も一人で戦えるくらい強くなったはずなのに!)」
悔しさに涙を流すルルナの隣に、何者かが近付いてきた。

クロウが足を止める。
「……今度はお前か?二人掛かりで来りゃあいいものを」
ルルナの隣に現れた少女はクロウをじっと睨んだまま、足元に横たわるルルナに話し始めた。
「ごめんね、ルルナちゃん。キミの真剣な顔を見てたら、二人掛かりで戦おうって言えなかった」
「キャス……ラ……」
「少しだけ待っててね。絶対あたしが助けるからさ」
「言ってくれるじゃねェか。一人で俺を倒すって意味に聞こえるぜ?」
「そんなつもりはないよ。今はルルナちゃんを助けることが最優先だからね」
「なら逃げるってか?そんなことはさせねェ!」
クロウの背から黒い翼が生え、大きく羽ばたいて羽根を無数に散らす。

「“黒羽(ブラック・フェザー)”、こいつで十分だ!」
宙に舞った羽根が一斉にキャスラへ襲いかかる。
「ナメられたものだねえ。あたし、こう見えて結構器用なんだよ!」
キャスラの左手が赤く輝き始め、周囲に熱を放ち出す。その手を大きく振った瞬間、手から炎が噴き出し、黒い羽根を焼き払った。
「……!あいつも炎を……!なら、こいつはどうだ!“緋羽(スカーレット・フェザー)”!」
クロウの翼が赤く染まり、炎を纏った赤い羽がキャスラ目掛けて飛んでいく。

「……!!」
次の瞬間、キャスラの周囲に水が現れて壁を作り、クロウの攻撃を完全に防いでしまった。
「………こいつ……!」
「言ったでしょ?あたし、結構器用なんだって」
そう言って笑みを浮かべるキャスラの左手は、青色に輝いていた。